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散歩

 幼少期から住んでいる稲城市のニュータウンは、自然が多く、整然として暮らしやすい土地だ。平成7年には、都市景観100選の大賞にも選ばれたことがあるらしい。しかし、小中学校くらいの頃は、人が街に合わせて暮らしているような窮屈さ、閉塞感のようなものを感じてもいた。このまま街ごと宇宙に打ち上がったとしても、誰も気づかずに生活が回り続けるんじゃないかとさえ思っていた(それは今でも思っている)。
 この間、交差点を通りかかると、昔は黒っぽく塗装されていた車止めのポールが、鮮やかなオレンジ色に錆びついていた。街が人に合わせはじめたということだろうか、こうして街は成熟していくのだろうか。
 オレンジ色のポールはひとつではなく、そこかしこにあった。


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